ルースの選択公理とは Luce choice rule

選択公理とは,選択肢集合Tの部分集合Sを考え,S の部分集合Qを考えたとき,T の中からQが選ばれる確率は,T の中からS が選ばれる確率と,S の中からQがばれる確率の積になっていること

選択確率と魅力度

ある選択対象i (i=1, N) の魅力度をAi > 0 としたとき,選択対象i の選択確 率が

Pr (i;N) = Ai/ΣAi ただし 1=1,N

となるモデルは魅力型モデル(atraction model) と呼ばれ,以下の4 つの公 理を満たす確率的選択モデルと同値であることが知られている.

  • 公理1:すべての選択対象i (i=1, N) に対して非負の魅力度Ai が定義される.
  • 公理2:魅力度Ai は有限であり,少なくともN の1 つの要素について0でない.
  • 公理3:Nの中の任意の部分集合N1 の魅力度は,それに含まれる要素の魅力度の和に等しい.
  • 公理4:N の2 つの部分集合N1 とN2 が同じ魅力度を持つとき,その選択確率は等しい.
  • 公理5:選択対象の集合をN とし,その部分集合をN’とする.選択対象i をN から選択する確率は,N' の選択とは無関係に
    Pr (i|N) = Pr (i | N') Pr (N'| N) 選択公理
    が成立する.
  • Luce の個人選択公理は以下に示す「無関係な代替案からの独立(Independence from Irrelevant Alternatives : I.I.A)」という特性をもつ。すなわち、任意の2つの代替案iとjについて、それぞれが選択される確率の比はそれら以外の第三の代替案の存在いかんに依存しない.

魅力型モデルの代表的なものとしてはMcFadden(1974) による「多項ロジット・モデル(MultiNomial Logit Model: MNL モデル)」,Nakanishi and Cooper(1974, 1988b) による「積乗型競合相互作用モデル(Multiplicative Competitive Interaction Model: MCI モデル」が挙げられる.

多項ロジット・モデル:確率的効用モデル

個人i(i = 1~ N) における選択肢k(k = 1~L) に対する選好度をUk(i)とする.選好度Uk(i)はモデルによって説明される確定的選好度V k(i) と 確率的選好度εk(i)から成り,以下のように表わされるものとする.

Uk(i) = V k(i) + εk(i) `i個人 = 1~ N ,k 案= 1~L

尺度

測定尺度には、比例尺度、間隔尺度、絶対尺度等が存在する。

  • 比例尺度量とは:質量、絶対温度、圧力、時間間隔、周波数、金額など これらの値はすべて絶対的な原点を基準に定められ、そこから測った2つの測定量の比率はどのような単位を採用しようとも不変である。
    相似変換:x'=kx の下で不変
  • 間隔尺度量とは:摂氏や華氏の単位の温度やエネルギー、エントロピー、時刻、音程な どがある。 これらを測る尺度の原点は我々の便宜上の定義である。単位変換に関して、任意の2つの間隔の比が不変である。
    一般線形変換: x'=kx+cのもとで不変
  • 絶対尺度量はいわゆる無次元量であり、数量の定義上、異なる測定過程に関しても その値自体が不変であるので、単位を定義することに意味が認められない量である。2 つの長さの比や角度(ラジアン)などが挙げられる。
    恒等変換: x'=xの下で不変

Luceの考察

Luce は、比例尺度と間隔尺度の許容関係に関して考察を行った.彼は、もし2つの数量が共通の基礎単位次元を有するなら、その関係は2数量の尺度の性質に依存する基礎的な関数で表されることを発見した。例えばx とy が両方とも比例尺度量であり、その関係が対数関数y=log x であると仮定する。比例尺度量xをx'=kx によって単位変換するとy も単位が変わりy'となる。y=log x が実世界の関係であるならば、単位変更によっても変わらずにy'=log x'となるはずである。しかしこの場合、y'=log k + log x$となり、log k だけy の原点が移動してしまう。これは明らかにy が単位変換に対して不変な絶対原点を持つことと矛盾する。従って、x とy の関数関係に対数は許されないことが判る。

実例:比例尺度と間隔尺度の対応関係

  • 人間が感じる音程s はピアノの白鍵の順番に比例する間隔尺度量であり、比例尺度量である音の周波数f とはs = a log f + b という対数関係にあることが知られている
  • ひとが感じる音量dbは、音の振動エネルギーという比例尺度と対数関係になっている。
  • 震度と地震エネルギーの関係も同様である。

参考


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Last-modified: 2009-11-01 (日) 22:49:00 (3691d)