WEB2.0とは「ダイナミカルなサービス」 ネット社会の成長法則から未来を予測?

IT技術が広く普及するにつれて、いろいろな変化が現れている。
ネット社会やWEB2.0の未来像を予見することはできるだろうか。
4つの経験則
 まず、過去の4つ経験則について、考えたい。これは、通信とCPUの能力に関わる法則である。
予測の古い順に
1.ゴードンムーアの法則・「24カ月毎にチップに盛り込まれるトランジスタの数は倍増する」
・ムーア氏が'65年に発表した最初の予測では1年に2倍のペースで集積回路のコンポーネントの数が増加すると予測していた。しかし、'75年には、集積回路の複雑度が2年に倍のペースで上がる予測に修正。実際に、'75年頃には技術的な壁によってペースは鈍化したという。しかし、その後は、ほぼそのペースで成長してきた。
・一般には、プロセッサパフォーマンスが18カ月毎に2倍になることも、ムーアの法則と言われている。しかし、ムーア氏は、自分の予測はトランジスタの集積度についてのもので、プロセッサパフォーマンスの向上は、集積度をパフォーマンスに翻訳したものだと指摘。また、「自分は決して18カ月と言ったことはない。1年または2年と言っただけだ」と語っている。
・博士がこのような予言を行った目的は、IC こそがエレクトロニクスの価格を大きく引き下げることに繋がるのだという考え方を示すことにあった。このことは当時のIC の価格からすると決して自明のことではなかったが、その後この予測は驚くほど正確なものであることが判明し、カリフォルニア工科大学のカーバー・ミード教授によって「ムーアの法則」と名付けられた。
2.メトカーフの法則
・「通信網の価値は利用者数の二乗に比例する。また、通信網の価格は利用者数に比例する。」
・イーサネットの開発者として広く知られる上,3Com社の創設者Metcalfeは1990年にスリーコムを離れて講演活動を始めたころ提唱
・最近は、2.4GHz帯を使う無線技術「ZigBee」はユビキタスのコアになるとと予想中。
・巨大なサイトの価値(時価総額)は、会員数の増加とともに急増。
3.ビル・ジョイの法則 :通信の性能と価格の法則
・「通信網の費用比性能は1年で倍になる。通信網の性能比費用は1年で半分になる。」
・Joyは、Sun Microsystemsの共同創業者で、Berkeley UnixやJavaを筆頭に、さまざまな技術開発の原動力となった人物
アメリカのコンピュータ技術者ビル・ジョイが提唱した、通信に関する法則。
4.ギルダーの法則:通信容量の爆発的増加に関する経験則
・「通信網の帯域幅は6箇月で2倍になる。」というもの。
・アメリカの経済学者ジョージ・ギルダー(George Gilder)が2000年に自著「テレコズム」にて提唱
・1996年ごろから現在まで、光伝送技術の発展には目覚しいものがあり、WDM(波長分割多重)技術やOTDM(光時分割多重)技術などに、よってネットワークの回線容量は爆発的に増大してきた。
 最も、長期に亘って成立している、ゴードンムーアの集積の法則と最近んの無線通信の容量の拡大をよく表現しているギルダーの法則は、要するにメモリーの集積度と通信の容量は爆発てきに増加することをいみしている。また、これが価格の急激な低下と能力の向上をもたらした。
 Googleのベルコビッチ氏は、「1982年と比較すると、CPUの性能は1MHzから3.5GHzへ3,500倍の伸びを見せた。メモリ1MBあたりの価格は3,500ドルから11セントと3万分の1に下落。ディスク容量1MBあたりの価格に至っては1,200ドルから0.65セントと180万分の1に急落している。」と言っている。メモリーやCPUがタダ同様になってきた。
その結果
1.ハードからソフトへ、そしてサービスへ
2.PCからC/S(クライアントサーバー)に、そしてWEBアプリケーションに
3.プロダクト離れ、OS離れ、メディア離れの顕在化
4.メモリーやHDDの低価格化と各種無料サービスの出現

が、相次いでいる。
その結果、PCメーカー(ハードやPCアプリのプロダクト販売企業)や通信回線企業(ネットの容量やスピードを供給企業)がすっかり精彩を無くした今日この頃である。一方、WEBアプリを担う、Googleの時価総額が、忽ち10兆円を超え、楽天やYahooなどのサービス主体の企業が勢いが良い。マイクロソフトも、端末ソフト販売の時代が終わりつつあるので元気がないように思える。この時代のキーワードもウェアラブル、ユビキタス、P2P、情報的なガジェット(gadget=ちょっとした機械)、情報家電 など めまぐるしく出現している。
 WEBサービスの時代の特徴
端末ばなれと情報流通の変化 が目立っている。
1.サーバー側にアプリを置く
2.コンテンツもサーバー側:公開が原則。記述して即公開。
3.メディア(携帯、固定、PC、PDA)やOS、情報のタイプを選ばない。
4.端末側のワード、エクセル、アクセス、イラストレーター、PhotoShop、翻訳ソフト、メールソフト、地図ソフトまでも不要となり、WEBアプリに置き換えられていく
5.Pay per View、Pay per do の従量サービス。端末向けソフト販売の終焉
5.端末側はブラウザ、ビューアー、エミュレーターなどが重要。最小化していく。
直接ユーザーが、放送し、出版し、販売する事態になってきた。PtoP。
6。くだらないもの(雑文や中古雑品)もネット上に公開、取引されるようになった。
ここ6年ほどの間に、ネットワークの法則性が明らかになってきた。
1.べき乗則:スケールフリーのネットワーク構造
WEBの会員数やページビュウは、成長し続ける巨大サイトと、ほとんどのスモールサイトに分かれてきた
2.ホームページの価値と検索の法則:固有ベクトル方向での順位付け
ページの価値の分布も同様に、Google PageRankなどで評価され、検索順位などの決定ルールの影響を受け、べき乗則の成長原理が組み込まれてきた。
3.P2Pの情報波及:SmallWorldの構図
SNSのMixi、ファイル交換のP2P、ボイスチャットのskypeなどの普及プロセスも、上記のネットワーク構造に乗って普及が爆発
これら、1.2.3.は、いずれも情報伝達のスケールフリーのネットワーク構造を、別の言葉で表現したにすぎない。
最近のGoogleのサービスを見ると、基本的かつグローバルなWEBサービスの動向がよく分かる。
Google Mapによる空間情報とサイト情報の関連付け
Google APIによる個別サイトと検索情報との関連付け
Google AdSenseによる広告情報との関連付け
Google Baseによる情報共有・マッチング
Google Analysisによるアクセス解析と広告効果測定
Google Talkによるボイス・ビデオなどIP電話・WEB会議とコンテンツの関連付け
Google 翻訳による多言語化・国際化
BBSBLOGWEBアルバムなど)
WEB2.0:リッチ+グローカルサービス、国際化・寡占化・淘汰の時代。個性化。メディアフリー、リージョンフリー。
WEB1.0の時代は、プロダクト販売だった。WEB1.5でWEBサービスの時代となって今現在である。
WEB2.0の時代に何が起きるか:TokyoBlogの予想
1.Googleのようなアプリケーションプラットホームの巨大化
  例:仕組みは巨大サイトのものを利用する。
    サイト解析、BLOG、Gmailなど
2.オリジナルなコンテンツ提供の価値の拡大
  例:質の高い知見、記録、映像など
    グローバルなディストリビューション
3.ダイナミカル On Demand な情報以外は、価値が低下
  例:天気・波・釣果、市況、イベント、求人、ニュース、会話、広告など。
4.一層のグローバル化とローカルの並存
5.くだらないもの(気晴らし、ガジェット)の氾濫
WEB成長のための6つのしくみ:TokyoBlogの成長原理
1.Small Worldを内部化する:参加し招待できるしくみ
2.ダイナミカルな情報を再生産する
3.リッチな関連付け(APIの活用、サイト内外との)のしくみ
4.メディアフリー化(いつでも、どこからも、なんでもアクセス)する
5.セパレーション:匿名化と公開部分を分離し選択できるしくみ。
6.フィードバックコントロール:プロセスを監視・解析し、フィードバック(管理者、参加者に)するしくみ
これらのしくみは、あるモジュールは、GoogleAPIなど借りてきて組み込む方が得策。オリジナルに重要なサービスは、頑張って開発しましょう。
6つの仕組みを持たないサイトは、自律的な成長は望めないようだ。
趣味のサイトはSmallでシンプルなのが何よりでしょう。
このサイトは、携帯でも見れるから、4.はまあまあです。6.のプロセスの監視は少ししかできていない。1.から3.は、できていない。5.もダメ。ということで、大きいサイトに成長することはなさそうです。
スタティックな情報は、マニアか巨大サイトが担当するようになりそう。(例えば辞書的、博物学的情報、地図など)その上で、ダイナミカルな情報をどう再構築するかが、ポイントかも。
参考:WEB2.0のマップ
  :メタデータとセマンティックWEB技術
  :ZigBeeの可能性
  :CMS(コンテンツマネージメントシステム) いろいろ
  :WEB 物流 ロッカー などのサービス

コメントを残す